くり

クリの花が咲く季節となりました。

 

クリの花

クリの花

クリと言えば「丹波(たんば)栗(ぐり)」ですが、天然のクリは丹波栗より実が小さく、シバグリ(柴栗)とよばれます。しかし小粒でも甘さは決して丹波栗に負けません。
秋の山歩きの楽しみの一つですが、リス・ネズミ・イノシシなどの動物に先を越されることもよくあります。
しかたありませんね。彼らは命がかかっていますから。

クリは縄文時代から主要な食糧として利用されるだけでなく、青森県の三内丸山(さんないまるやま)遺跡(今から6000年から3500年前まで)ではクリは建築材や燃料にも多用され、またクリを育てていたことが分かっています。

クリはブナ科のなかで一番大きな実をつけ成長は早く、やせた土地でも良く生育します。分布も北海道南部から九州まで、日当たりが良い場所に生育します。

その材はタンニンを多く含み防腐性が高いため用途が広く、建築の土台や床板に、また年輪が環孔材(かんこうざい)で美しいため幹を斫(はつ)って化粧柱や梁また外回りの柱によく使われ、特に京都では今でも丹波名栗(たんばなぐり)を料亭や数寄屋・京町屋で見つけることができます。

また枕木がコンクリートや防腐処理の枕木になるまではクリが最高の枕木で、京都は優良な天然のクリが多かったため、専門のクリ伐採・加工の人がいたほどでした。

私が通いで木工を教えてもらっていた頃、椅子を作るため足の木取をして2週間、修正の鉋をかけて、ほぞ穴を少し空けて2か月、さてほぞ穴を完成すべく材料を出すと、大きくよじれて、到底組めそうにありません。乾燥が十分でなかったこともありますが、やはりくせが強い木だという印象が残っています。

 

ところでクリの学名は castanes(かすたにあ)と呼ばれますが、なにか思い出しますね。そうです。木製打楽器カスタネットですね。カスタネットはギリシャで生まれスペインで発達した楽器で、クリの実の形をしてクリの木でつくっていました。今ではサクラやカエデ・ブナの木でつくられます。

ちなみに大相撲の呼び出しの拍子木はサクラです。

 

*「環孔材」

広葉樹でその導管(水を吸い上げる管)が年輪に沿って環状に配列した木材。代表的な樹種はクリ、ミズナラ、ケヤキ、ハリギリ、ヤチダモなどで板目板として製材した場合、その模様が美しく、化粧板や突板に最適。またこの導管が年輪に関係なく均等に分散しているものは「散孔材(さんこうざい)]と呼ばれ、ブナ、サクラ、ホオ、クスノキなどがある。

*「丹波名栗」

クリ材の美しさ引き出すため、ヨキやチョウナという道具だけで5面から8面の柱や梁などに加工した製品。またこの高度な技術をもった匠(たくみ)は名栗師とよばれ、花背に親子がいらっしゃいます。この技術はクリだけでなく、いろんな樹種にも応用され、それぞれの木材の美しさを引き出します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

前の記事

ツバキ

次の記事

クスノキ