誕生日の木 10月17日
10月17日の誕生日の木はムベです。
ムベ(郁子、野木瓜)はアケビ科ムベ属の常緑つる性木本植物です。
別名トキワアケビ(常葉通草)、長寿樹。 学名はStauntonia hexaphyllaです。
もともとは関東より南の地域に分布する暖かい地方の樹木ですが、丈夫な性質のため、今では東北地方の一部にまで分布が広がっています。最近では壁面緑化やサンシェードプランツとしても利用されているそうです。
ムゲの葉は、小さな葉が集まって長く柄のついた形(掌状複葉)をしています。
幼木のときは3枚、その後5枚、実がなる頃には7枚になるので、「七五三の縁起木」とも言われています。厚くて光沢があり、裏面は淡緑色で網目が目立つ点が特徴的です。
雌雄同株で雄花と雌花がつきますが、雄花の花序と雌花の花序があります。
4月~5月に新葉の腋、あるいは芽鱗の腋から総状花序出します。花弁がなく、花弁に見えるのは萼(ガク)です。3~6個の雄花とやや大きめで少ない雌花が開きます。雄花と雌花は似ていて区別がしづらいです。
花後に直径5cmほどの卵形をした果実をつけ、秋に紫色に熟します。
熟した果実の中にはたくさんの黒いタネとやや透き通った白色の果肉がつまっており、果肉はほのかに甘くておいしいそうです。
形はアケビに似ていますが、ムベは熟しても裂けないところが違います。
この実を食べると長生きする、という言い伝えから「不老長寿(不死)の実」と言われ、皇室にも献上されてきたそうです。
言い伝えによると、天智天皇(626-671)が蒲生野(現滋賀県東近江市一帯)へ狩りに出かけた際、奥島山(現近江八幡市北津田町)に立ち寄り、8人の息子を持つ元気な老夫婦に出会い、「お前たちはなぜ、このように元気なのか」と尋ねたところ、老夫婦は「この地で採れる無病長寿の果物を、毎年秋に食べているからです」と答え、果物を献上しました。それを賞味した天皇が「むべなるかな(もっともだな)」と言ったことから、この果物が「ムベ」と呼ばれるようになったということです。
花言葉は 「愛嬌」
郁子垣をはなはだ低く秋の宿 富安風生