誕生日の木 7月31日

7月31日の誕生日の木は「ソテツ」です。
ソテツは「生きた化石」とも呼ばれる原始的な裸子植物で、南日本に自生する常緑樹です。

ソテツの基本情報

【学名】Cycas revoluta
【分類】ソテツ科ソテツ属(裸子植物)
【和名】蘇鉄
【英名】Japanese sago palm
【原産・分布】九州南部~南西諸島、台湾、中国南部
【樹形】樹高は1.5~8mで、成長は非常に遅い
    幹は円柱状で、枯れた葉柄の跡がうろこ状に残る
【葉】長さ70~200cmの羽状複葉
   濃緑色で、光沢が強く、硬く鋭い
   小葉は線形で、縁が裏側へ反り返る
【雌雄異株】花期は5~8月
      雄株は円柱形の雄花、雌株は大胞子葉が重なる雌花をつける  
      雄花・雌花ともに発熱し、昆虫を誘引すると考えられている
【種子】秋~冬に赤朱色に熟す 扁平な卵形で約4cm
【生育環境】海岸の崖地・石灰岩地などの痩せ地に強い
      根に窒素固定を行うシアノバクテリアが共生するため、貧栄養地でも育つ

ソテツの葉

ソテツは、植物の進化史の中でも特別な位置を占めると言われています。それは、現代に生き残った、極めて原始的な種子植物だからです。イチョウと並んで、植物の進化を語るときに必ず名前があがる存在です。
約2億年以上前、恐竜が地球を歩いていた時代から存在すると言われています。恐竜の化石と一緒にソテツ類の化石が見つかることも多く、その頃の姿と、今のソテツの姿がほとんど変わらないことがわかっています。つまりソテツは「生きた化石」なわけです。

また、ソテツは裸子植物ですが、精子が鞭毛を持ち、胚珠の中を”泳いで”卵細胞に到達します。
これはシダ類やコケ植物のような、原始的な植物の特徴を残しているということです。
現代の種子植物(マツ、スギ、被子植物など)は、精子が泳がず、花粉管が卵細胞まで運ぶ仕組みになっています。ソテツはその”前段階”の仕組みを保持しているのです。

ソテツはその南国風の樹形・丈夫さから世界中で観賞用として栽培されています。
日本では「不死・再生・守護」の象徴として扱われ、多くの寺社や庭園などに植栽されてきました。
また、ソテツは「音を出す植物」で、新芽が一斉に展開する時や、幹が温度変化で収縮する時、葉が風でこすれる時などにギシッ、ミシッ、パキッという木鳴りを発します。寺社の静寂の中でこの音が響くと「泣いている」「うめいている」と感じられやすいことから、「泣くソテツ」「帰りたがるソテツ」などの霊的伝承が生まれ、寺社の聖性を強める存在として定着しました。

ソテツの種子や幹にはデンプンが多く含まれており、古くから食用とされてきたそうです。ただし、ソテツにはサイカシンやBMAAなどの毒が含まれており、毒抜きが必須です。奄美大島などでは、このソテツの実から味噌(蘇鉄味噌)などをつくり食用にしたそうで、現在でも売られているとか。

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、ソテツは低危険種に分類されていますが、自生地の減少や害虫被害、乱獲など保全課題もあり、日本では多くの自生地が天然記念物に指定され、保護されています。

打水や蘇鉄の雫松の露

正岡子規

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