人と森のつながり

 

京都伝統文化の森推進協議会のシンポジウムに行って参りました。
夜にも関わらず、たくさんの参加者でした

京都伝統文化の森推進協議会は、京都東山の国有林を活動拠点として、京都に根付いた自然と共生する日本の伝統文化を復活し、全国に発信するべく、京都に根付く貴重な歴史的、文化資産を継承し、日本文化を再生する森づくりを進めるために設立されました。「文化的価値の発信」と「森林整備・景観対策」という二つの柱の基に、さまざまな活動をされています。言わば、「京都三山」の頭脳集団です。


第一部は、宗教学者であり、京都伝統文化の森推進協議会の相談役(前会長)でもあられる 山折哲雄さんの「千年都市京都 人と森のつながり」と題した基調講演でした。

日本列島、または日本人の意識の「三層構造」・・・
日本人は、いちばんの深層意識に縄文的な意識、山林社会的な自然観や世界観が横たわり、それに基づいた、人生観がある。その上の中層に、農耕社会、農業革命を経た後の価値観が積み重なっている。
そしていちばん表層の首から上のところに近代的な価値観や世界観が積み重なっている・・・というお話でした。

「京都」という都市もまた、山や森に支えられており、京都人の深層意識の中にも山や森に対する敬虔な信仰や感覚が流れ続けている。

昨今は「森を活かす」「森を利用する」という方向になってしまっているのではないか、「森から学ぶ」姿勢がなくなっているのではないか、と仰られた言葉が印象的でした。

mr yamaori 

(ボケボケの写真しか撮れませんでした。ごめんなさい

 (まぁ、私個人としては、2年前に提言された「皇太子殿下、ご退位なさいませ」について、もっと詳しく聞いてみたい感じではありました。テーマが違いすぎますが

 

続いての第2部では、京都大学こころの未来研究センター教授 鎌田東二氏、至誠館大学学長代行  原田憲一氏、公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所次長  梶川敏夫氏、京都女子大学名誉教授  高桑進氏、NPO法人森林再生支援センター常務理事 高田研一氏が、それぞれの専門分野の観点から、「人と森のつながり」について話題を提供してくださいました。

なぜ、京都が千年もの間「都」たりえたのか・・
都市形成において森の果たしてきた役割について・・・や、資源の面から見た「人と森とのつながり」など、興味深いお話をたくさん伺うことができました。

あまりにも熱心なお話だったため、第3部のパネルディスカッションの時間がほとんど残っていなかったのが残念でした。

 

最後の質疑応答の時間に、一人の市民参加者が問いかけられました。

   「いつの時代の森に戻すのがいいのでしょうか?」

高田研一氏が答えられました。

   「私たちは『民の願い 地の許し』と言っています」

 この言葉が、深く心に染み入りました。

 

 

 

 

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