庭に植えてはいけない木?
コロナ禍をきっかけに、庭づくりや植物に興味を持つ人が増えたと言われています。庭のある家が少なくなった現代では、大きく成長する木を植えるというのはなかなかハードルが高くなりますが、小さなスペースでもいいから「木を育ててみたい」という方は多くいらっしゃいます。
私も時々、どんな木を植えるのがいいのか相談を受けることがあるのですが、「おすすめの木は?」と聞かれるのと同じぐらいよく耳にするのが「植えてはいけない木ってあるの?」という質問です。
風水の観点や、昔からの言い伝えとして「庭に植えてはいけない」と言われる樹木は、確かに存在します。
代表的な例をいくつかあげてみると…

枇杷(びわ)
「枇杷を植えると病人が出る、不幸を招く」と言われています。
これは、枇杷の葉が古くから薬効が高く、咳止めや炎症を抑える民間薬として使われていたため、「病人が枇杷の木のある家に集まった」ということが背景にあるようです。薬効があるがゆえに、逆に「病を呼ぶ木」と誤解されたようで、本来は”薬効があるから人が集まった”という善い性質が、逆に不吉とされました。
柳(やなぎ)
柳は水辺に育ちやすく、湿気の多い場所に植えられることが多い木です。湿気は昔の家屋にとって病気や腐敗の原因と考えられていたため、「家を湿らせる木」として避けられました。また、しだれる姿が幽霊を連想させることから、陰の気を持つ木とされることもありました。


藤(ふじ)
藤は繁殖力が非常に強く、建物や他の木に絡みついて成長します。根も強く、一度植えると除去が難しいため、管理の面から庭木としては注意が必要とされています。
無花果(いちじく)
「無花果」という漢字が不吉とされるほか、根が強く家屋に影響を与える可能性があることから、避けられることがあります。

サカキ(榊)
サカキは神事に使われる神聖な木であるため、「恐れ多いから庭に植えるべきではない」という地域の風習がありました。また、鬼門・裏鬼門に植えないなど、方角の禁忌と結びついた地域もあるようです。
原因を求める心理
人は説明できない出来事に出会うと、何か理由を求めたくなります。病気や不幸が起こったとき、目に見える庭木が原因として結びつけられやすかったのです。
木の象徴性
木には形や性質に応じた象徴性があります。柳のしだれ、椿の落花、藤の絡みつきなど、特徴的な姿が意味を背負わされ、物語として語られるようになりました。
偶然の一致を意味づける
病気や不幸と木の成長時期がたまたま重なると、「木のせいだ」と考えてしまうことがあります。これは人間の自然な心理であり、不安を整理するための心の働きでもあります。
生活の知恵の物語化
湿気、日照、根の強さ、害虫など、木の性質が生活に影響することは多くあります。こうした実用的な注意が、わかりやすい物語として伝えられ、迷信として残った側面もあります。
実際、これらの「植えてはいけない木」を植えたことで、不幸が起きたという実例を、私は聞いたことがありません。我が家にはサクラもあるし、ビワも、ツバキもサルスベリもあります。でも、皆元気で仲良く過ごせています。
なので…結論としては、植えたい木があれば、迷信にとらわれずに植えてみられてはいかがですか?と言いたいです🤣
ただし、次のことには気をつけていただきたいと思います。
・日当たりや風通し
・根の広がり方
・落葉や実の量
・虫がつきやすいかどうか
これらを踏まえて木を選べば、庭づくりを楽しむことができるのではないかと思います。
木は昔から人の生活を支え、心を映す存在です。
迷信は恐れではなく、木と共に生きてきた人々の記憶の一部です。
庭がなくても、一本の木を知ることから世界が広がることもあります。
一番大切なのは、木との暮らしを楽しむことではないでしょうか。


