誕生日の木 8月29日

8月29日の誕生日の木は「シュロ」です。

どことなくエキゾチックな雰囲気を漂わせるシュロ(棕櫚)
庭木や街路樹としても親しまれているヤシ科の常緑高木です。

🌴シュロの基本情報

  • 学名:Trachycarpus fortunei
  • 分類:ヤシ科シュロ属
  • 原産地:日本(九州南部)、中国
  • 樹高:10m~15m(大きいものでは20m近くになる)
  • 葉:扇状で常緑
  • 幹:円柱状で垂直に伸び、「シュロ皮」と呼ばれる繊維質に覆われている
  • 花:初夏に黄色い小花を咲かせる
  • 果実:秋に黒紫色に熟す 
    (雌雄異株で、雌株のみが花と実をつける)
  • 花言葉:「勝利」「不変の友情」「祝賀」

南国を思わせるリゾート感たっぷりの姿をしたシュロですが、日本の伝統的な暮らしにも深く結びついています。例えば「シュロ皮」は、強靱で耐水性に優れることから、古くからほうきや縄、たわしなどの素材として活用されてきました。現在でも「シュロたわし」は自然素材の台所用品として人気があります。その他にも、メダカの産卵床や苔玉の芯材など、様々な用途に利用されています。

またシュロは常緑で生命力が強く、幹も繊維も丈夫なことから「長寿・繁栄・家運隆盛」のシンボルとされ、寺社に植えられることも多いそうです。シュロは鐘楼の鐘木用の材として重宝されることも、寺社にシュロが植えられる理由の一つになったのかもしれませんね。
シュロの幹は真っ直ぐな繊維が集まったような構造になっており、適度に重く柔らかく、よく通る綺麗な音が鳴るので昔から使われているのだとか。シュロで作った鐘木でついた鐘の音は「ゴーン」ではなく、「シュワーン」と柔らかい音色になるそうです。

そんなシュロの木ですが...
ある意味、業者泣かせの木でもあります😂

「大きくなりすぎたので少し小さくしてほしい」と、ご依頼をいただくことがあるのですが、シュロの木の成長点は幹の先端にしかないため、一度幹を伐ってしまうとそこで成長が止まり枯れてしまうのです。なので、それが前提での伐採になるのですが...
伐採する際には、幹を覆うシュロ皮がチェンソーに絡まるのを防ぐため、まずシュロ皮を剥かなければなりません。またシュロの木は水分を多く含んでおり、見た目以上に重いので注意が必要です。

シュロは本来、暖地性の常緑樹ですが、意外に耐寒性があり零下でも枯れにくいのと、近年の気温上昇などにより生育範囲を拡大し、現在は関東内陸部や東北南部でも個体数が多くなっているそうです。
近年、それが問題視されることもあるそうです。シュロは外来種ではありませんが、増えすぎると在来低木層や景観を脅かす可能性がある、とのことです。
つまりシュロは、「人間との関係性が深く、日本文化に根ざした木」でもある一方で、放置されると生態系や景観を改変しうる両義的な存在だといえるわけですね。

シュロに限らず、例えば竹や桑など「人とともに歩んできた樹木」は多くがこうした両義性を持っていますね。
「制御しながら利用する」ことができるとき→それは文化や景観を豊かにする存在。
「放置して関わりを断ったとき」→それは時に厄介者に見える存在。

結局は、「木そのものの問題」なのではなく、「人がどう向き合い」、「関係を持ち続けるか」なのかもしれませんね。

梢より 放つ光や しゅろの花

与謝蕪村

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