ウワミズザクラ

事務所の前には御土居(注1)があり、四季の移り変わりを楽しませてもらっています。

(注1)御土居・・・天下統一を成し遂げた豊臣秀吉が,長い戦乱で荒れ果てた京都の都市改造の一環として外敵の来襲に備える防塁と,鴨川の氾濫から市街を守る堤防として,天正19年(1591)に多くの経費と労力を費やして築いた土塁。今でも数ヵ所が現存し、史跡として保護されている。事務所前の大宮御土居は、その名残を良好に残しているものとして有名。

その御土居の、事務所から見える一番目の前に植わっているのが「ウワミズザクラ」なのですが、先日の台風21号で幹が折れてしまいました。

一番太い幹がポキンと折れてしまっています。 右下に見える、茶色になった葉っぱが折れた部分のようです。

元の姿がこちらです。風にあおられてしまったのでしょう。かわいそうな姿になってしまいました。

 

ウワミズザクラ(上溝桜) 学名 Prunus Grayana Maxim
バラ科サクラ属の落葉高木。北海道から九州に分布し、山地や里山に点々と生え、寒冷な地方に多く見られます。

葉はやや薄く、中央かやや付け根側で幅が最大になり、葉柄が1cm以下と短いことが特徴です。葉脈は表面でくぼみ、裏面に浮き出て目立ちます。サクラ類と同様に蜜腺(蜜を出す突起)が見られる場合もありますが、小さくてわからないことが多いそうです。

サクラ類と近い仲間ですが、ウワミズザクラの花は、小さい白い花をコップ洗いのブラシ状につけます。

ソメイヨシノの花が終わる頃に咲きます。花は杏仁(あんにん)のような香りがあり、新潟県では「杏仁子(あんにんご)」とも呼ばれ、若い花穂(未熟果)を塩漬けにして食べる習慣があるそうです。

ウワミズザクラ(上溝桜)という名前は、裏に溝を彫った鹿の肩甲骨を、この木を燃やして焼いた時の割れ目で占い(太占:ふとまに)をした故事によるそうで、占(裏)溝桜の表記が正しいとされています。

天皇が即位して、最初に行う新嘗祭(大嘗祭)の儀式に使う「波波迦(ハハカ)」とはこの木のこととされています。

ウワミズザクラは丈夫な性質を持っているそうなので、このまま残った枝が大きくなって、また元のような雄大な姿を見せてくれるものと信じております。

 

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