静かになった京都
先週末、久しぶりに京都駅近辺を歩きました。
そして、ふと気づいたことがありました。
いつもなら耳に入ってくる中国語がほとんど聞こえてこなかったのです。
今、京都は秋の観光シーズン真っ只中。例年だと大勢の人で賑わっています。
もちろん観光客らしき人はたくさん行き交っていましたし、欧米や南米系と思われる外国人の姿もあちこちで見かけました。でも、明らかに中国人の、特に団体客が減った印象を受けたのでした。
これまでどこに行っても聞こえていた中国語。文化の違いもあって、中国人は声が大きい人が多いようですね。なので、聞くつもりがなくても耳に入ってしまう…🤣
ある意味、それが普通になってしまっていたので、少し清々しくも感じられ、久しぶりに京都らしい静けさを取り戻したように思えました🤣

調べてみると、実際に日本を訪れる中国人が減っているようです。これは、最近の日中関係の緊張が高まっていることが原因と言われています。具体的には中国政府が出した「渡航自粛要請」と航空便の減便、特に中国国際航空の日本便が減ったこと、そして団体旅行のキャンセルが相次いだことなどがあげられます。
京都は年間約5,000万人もの観光客を迎え、観光消費額は1兆円にも上るそうです。
宿泊や飲食、小売、交通など、多くの産業が観光に支えられているため、観光客の減少は経済に大きな影響を与えます。ただ、正直なところ、中国からの団体観光客の多くは中国系の旅行会社や施設を利用していて、地元に落ちるお金はあまり多くないという指摘もあります。
また地元住民にとっては、バスの混雑が減り、観光地周辺の騒音やゴミ問題も軽減されたことから、歓迎する声もあがっているようです。
観光の「量」に頼る構造は外からの影響に弱く、コロナ禍や今回のような政治的な緊張でその脆さが露呈することとなりますね。

最近は、「観光に頼りすぎない都市経済」を模索する動きもあり、地産地消や地域住民向けのサービス強化が進められているそうです。
例えば、あぶらとり紙で有名な「よーじやグループ」さんは、「みんなが喜ぶ京都に」をスローガンに、「おみやげの店」から「おなじみの店」への転換として、新業態となる京都産の素材を使った「地産地消」がテーマのダイニングを開業し、より地元を盛り上げる存在を目指していらっしゃいます。
また、京漬物で有名な「西利」さんは、近年はパンや惣菜など日常食市場へ進出。
千寿せんべいで知られる老舗の和菓子屋「鼓月」さんは、コンビニでのバラ売りを開始し、地元客の日常消費に対応されています。
これらの企業に共通しているのは、『観光客頼みでは持続できない』という危機感。
それが観光客向けの「非日常商品」から、地元住民や全国市場向けの「日常商品」へとシフトすることに繋がりました。オンライン販売など、販路が多様化したこともその後押しになったと思われます。観光土産のイメージから脱却し、生活に根ざしたブランドへと「ブランドの再構築」を試みておられます。
このように、「京都ならではの文化資源」を日常商品へと展開することは、観光依存からの脱却に直結する大きな可能性があるのではないでしょうか。
たくさんの方に京都を楽しんでもらいたい。
でも、地元に住む私たちの暮らしも守りたい。
京都駅で感じたあの静けさは、一時的なものかもしれません。でも、その体験が、観光都市としての京都が抱える課題を考えるきっかけになったのは間違いありません。観光の量に頼るのではなく、質を高め、地域に根ざした経済を育てること。これが、京都が次の時代に歩みを進める道だと、私は思っています。



