クサギ

スタッフの正貴です。口を開くたびに「暑い」の言葉しか飛び交わないような、うだるような暑さが続いています。命に関わる暑さですので、みなさんしっかり水分・塩分補給に努めてください。

さて、先日も暑い中で草刈りや伐採などの作業を進めていたところ、緑の中でひときわ目立つ花を見つけました。夏に咲く小さな白い花、大きくてハートにも似た形の葉っぱ。これはクサギと呼ばれる樹です。

クサギとは臭木から来ており、葉っぱに特有の臭気があることからこの名がつきました。作業の休憩中に何も知らない後輩にこの葉を嗅がせたところ、顔をしかめて葉っぱを投げ捨てていました…笑

人によってはカメムシのにおい、燃えたゴムのにおい、ピーナッツバターのにおい、などなど…様々なにおいに感じるようです。独特なだけで、とりわけ臭いと感じない人もけっこういるんだとか。それでもカメムシや燃えたゴムのにおいだとすると強烈だと思いますけども。

調べてみると、なんと強いにおいのこの葉を食べることが出来るそうです。茹でるとにおいがなくなるそうで、味噌汁の具に使うこともあるんだとか!興味はありますが、茹でている最中はすごいにおいがしそうですね…。

名前になるほどにおいが特徴的なクサギですが、臭いと言われるのは葉っぱだけで、花はジャスミンにも似た甘い香りがします。葉には苦い顔をしていた後輩も、花の香りには笑顔を見せていました。

花の甘い香りにつられて、アゲハチョウなどの大きなチョウ目の虫が寄ってきます。作業中には真っ黒なカラスアゲハが花から花へ蜜を求めて飛び回っていました。チョウに助けられてクサギは受粉し、秋には青紫色のこれまた目立つ実を付けます。こちらはムクドリなどの鳥のごちそうになるらしく、ついばんでいるところを見ることが出来ます。

青い実は集めて煮ることで染料として用いることが出来るのだとか。さらに葉や根は薬になるとのことで、人との関わりも深い植物です。臭い木なんて名前を付ける割に、しっかり有効活用しているのはなかなか面白いとは思いませんか。

余談ですが、冬場によく出てくる茶色いカメムシがいます。ちょっとの刺激でも激臭を放つためみんなに嫌われているカメムシですが、こちら、クサギカメムシと言います。特別臭いから…というわけではなくて、よくクサギに付いているからクサギカメムシと呼ばれるようになったそうです。

ですがクサギカメムシは多くの植物に食害を及ぼす虫で(多犯性と言います)、個人的にはとりわけクサギに多い、ということもないような気がします。

先に言ったように、人によってはクサギの葉のにおいはカメムシのようだと感じるそう。似ている臭気のクサギとクサギカメムシ。名前の由来はともかく、なるべくしてなった名前だと感じます。


同属のボタンクサギについても以前記事にしています。良ければそちらもご覧下さい。
誕生日の木 7月26日 ボタンクサギ」


クサギ(臭木)

【学名】Clerodendrum trichotomum

シソ科 クサギ属 落葉低木・小高木

高さ:2~6m

花言葉:「運命」「治療」

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