種はだれがつくるのか① ~イチョウの話
イチョウの木が色づいて、銀杏(ぎんなん)が落ちる時となりました。
独特のにおいが苦手な方も多いようですが、食べるととても美味しいですね。
私などは『茶碗蒸しに必ず入っていなければならない』とさえ思っています。
そんなぎんなんですが、イチョウにはぎんなんが成る木と成らない木があることをご存知ですか。
イチョウにはオスの木とメスの木があり、ぎんなんは当然のことながらメスの木に成ります。
このようなオスの株とメスの株が別々な植物を雌雄(しゆう)異株(いしゅ)といいます。
動物のお母さん・お父さんに似ていますね。
イチョウのオスの木は雄花を付け花粉(精子)をつくります。
またメスの木は雌花を付け、はだかの胚珠という卵子を作ります。
オスの木でつくられた花粉は風によって数キロも運ばれ、メスの木に到着し受粉し、
ゆっくりと受精しぎんなんをつくっていくのです。
さて、それではイチョウのオスメスは、どうやって見分けるのでしょう?
残念ながらイチョウはその外観からは、オスやメスはわかりません。
よく言われるのは葉の切れ込みが大きいのはオスで切れ込みが小さいのがメスということですが、樹齢や環境によって様々で確かではありません。
ただ、ぎんなんの果肉を取った後の実(殻)の形には二面体と三面体があり、三面体の実はメスの確率が高いようです。
二面体と三面体では圧倒的に二面体が多く、昔、採ってきた実を調べてみたことがありますが、三面体の実は全体の2割ほどしかありませんでした。
皆さんがよく知っている雌雄異株の木としては
紅葉が美しいウルシの仲間のハゼノキやヌルデ、小粒でもピリリと辛いサンショウ、公園で良く見られるヤマモモ、河原で見られるヤナギやクワの木の仲間、また神社で見られるイヌマキやイチイ等があります。
街路樹ではイチョウはぎんなんの匂いが敬遠されるため、雄株の挿し木を育て植えられることが多いようです。
しかしながら、大きい並木にぎんなんが成ることがあります。
長い間オスの状態で集団を作っているうちに、オスがメスに変わることがあるそうです。 不思議ですね。
驚きました!
オスの木がメスになる事があるなんてΣ(゜Д゜)