種はだれがつくるのか② ~花のいろいろ

前回はオスの木とメスの木があるイチョウの話をしましたが、植物には一本の木に雄花(おばな)と雌花(めばな)の両方を付ける仲間もいます。

「雌雄(しゆう)同株(どうしゅ)」と言ってみなさんが馴染みのある針葉樹のマツやスギ・ヒノキなどはこの仲間です。

では雄花と雌花をどこにつけているのでしょうか。

新しい枝の先に雌花をつけ、枝の下部に雄花をつけるのがアカマツやクロマツです。
また新しい葉先に雄花をつけ葉の基部に雌花をつけるのがスギです。
ヒノキは葉先に雄花をつける枝と雌花をつける枝があります。

なかなか個性がありますね。

また広葉樹ではブナの仲間のコナラやアラカシ・シラカシ、カバノキの仲間のシラカバやハンノキ・ヤシャブシなどが雄花と雌花の両方を付ける雌雄(しゆう)同株(どうしゅ)です。

これらの植物は、花が地味で花粉が多く、花粉が風で運ばれるもので「風媒花(ふうばいか)」と呼ばれる花をつける樹木が多いようです。イチョウもオスの木の花粉を風によってメスの木に運ぶ風媒花をつくります。

近年はこの花粉がアレルギーを起こし10人に1人は花粉症の疑いがあるそうです。
スギやヒノキにとっては迷惑な話ですが、石原慎太郎が都知事のときに花粉症になり「奥多摩のスギをすべて切ってしまえ」と発言された話は有名ですが、東京都の森林政策で打ち出された改植は都民からは一定支持を受けたとのことです。

私はスギの産地で育ちましたのでスギを弁護しますが、そもそもアレルギー体質をつくるのは、食べ物や環境であって、日本の人口が都市に集中し、ファーストフードや食品添加物また排気ガスの充満する環境では色々なアレルギーを作り出すのが自然です。

花粉症の方には、申しわけありませんが、杉には罪はありません。またスギを植えた人にも罪はありません。

 

 

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