クスノキ
めっきり新葉が大きくなって落葉の季節になりました。
え ! 落葉ですか、春にですか。
ええ春の落葉です。常緑でも葉の寿命があって、新しい葉が展開すると、安心して落葉する木があります。
代表的なものにクスノキがあります。新しい葉が展開すると、古い葉が一斉に落葉します。
落葉樹は春に一斉に芽が出て葉が展開し、秋には冬に備えて落葉し、葉の寿命は8カ月前後ですが、常緑樹はそれ以上です。
樹種や環境・生育過程で幅はありますが、常緑のクスノキの仲間や常緑のブナの仲間などは1年から2年です。針葉樹は落葉のカラマツを除いて3年から4年です。
しかしながら、光がよく当たらない場所や部位、また痩せた場所では葉の寿命が長くなる傾向があります。新葉が旺盛に伸びた樹木では、この葉に光合成を期待し、古い葉は落葉します。
クスノキは中国や東南アジアに多く、日本の各地に大木が見られますが、植えられたものが多いようです。
常緑のクスノキの仲間は京都では市街地周辺でイヌガシ、シロダモ、ヤブニッケイ などが見られ、また南部の男山では タブノキ、 カゴノキがみられます。
クスノキの仲間の特徴は、葉や枝・材の独特のナフタリンのような香りがあることです。
クスノキからは樟脳が採られ、防虫剤はもちろん古くから漢方薬の風邪ぐすりとして、殺菌、去痰、鎮痛につかわれていました。
またクスノキは、縄文時代から船材や建築材として使われており、今でも、家具材や彫刻材とし使われる優秀な樹木です。
小学校の遠足で福岡の立花山に登ったことがあります。途中にクスノキのりっぱな群落があったのですが、途中で美味しい小みかんを失敬したことや、自転車がパンクし、先生のバイクに乗せてもらったことのほうが、印象に強く残っています。
また田舎に帰省するときは、祖父が植えたクスノキの仲間のニッケイの樹皮や根(シナモンのことだが、九州南部ではケセンという。)を持って帰り、キャンデーの代りにいつもポケットに入れていました。