誕生日の木 8月23日
8月23日の誕生日の木は エノキです。
エノキはニレ科エノキ属の落葉高木です。
本州から九州までの広い範囲に自生しています。
幹は比較的低い位置から枝分かれし、樹冠が横に広がるのが特徴です。
根張りの美しさは日本の樹木の中でもナンバーワンだそうです。
葉は卵形、または長楕円形で、互生です。葉の質は厚くざらつき、鋸歯(葉の縁のギザギザ)が葉の上半分だけにつきます。また、葉の中央で幅が最大になります。
エノキは「国蝶」であるオオムラサキの幼虫の食草であることで有名です。
開花時期は4~5月で、葉の展開と同時期に雄花と雌花をつけますが(雌雄同株)、黄緑色で小さいために目立ちません。
花の後にできる実は球形の核果(水分を多く含み中に種が一つある)で緑色をしており、秋には赤褐色に熟します。やや甘みがあって食べられ、小鳥も好んで食べるそうです。
樹皮は黒味を帯びた灰色で、裂け目がなく、表面が砂のようにざらついています。
「エノキ」の名前の由来には諸説あって、
①一里塚に植えられた「選木(エリノキ)」に由来する
②縁起のよい木を意味する「嘉樹(ヨノキ)」が転じてエノキとなった
③果実を小鳥が好んで食べることから「餌の木」が転訛した
④器具の柄にエノキの材を利用したことから
⑤太い枝を張り出すので「枝の木」から転訛した などがあります。
それだけ、古い時代から身近な存在であったということなのでしょう。
また「榎」の文字は、この木が夏に木陰をつくるというところからうまれた国字(漢字に倣って中国以外の国で作られた漢字体の文字。和製漢字)です。
エノキの花言葉は「協力」「力を合わせる」「共存共栄」
またエノキは「縁」に通じることから「縁結びの木」あるいは「縁切りの木」として使う俗信があるそうです。
縁を結ぶにはエノキに願をかけ、縁を切る場合は人知れずそっとエノキの葉を食べるとよいそうです。
わが門の榎の実もり喫む百千鳥
千鳥は来れど来ぞ来まさぬ
(万葉集 巻16-3872 詠み人しらず)