アメリカヤマボウシ
いつの間にかサクラが満開だ~、花見に行きたいけどコロナで行きにくい情勢だしな~、などと考えているうちに葉桜が目立つようになりました。
初めまして、スタッフの正貴です。
ニュースによると京都におけるサクラの開花が観測史上最速だったとか…。咲くのが早い分、散ってしまうのも早いですね。少し寂しいですが先のとおりなかなかお花見にも行きにくいですし、なによりサクラだけが花ではありません。切り替えていきましょう。
というわけで、今回紹介したい花はこちら。アメリカヤマボウシです。
別名のほうで呼ばれてもピンとこないでしょうが、ハナミズキと言われると聞いたことがある人が増えるかも知れません。一青窈さんのヒット曲のタイトルでもありますね。街路樹や庭木として見かけることも多々あるので、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。サクラが終わりつつある今くらいの時期からつぼみが開き、ピンク色や白色の大きな花を咲かせるのでよく目立ちます。
別名がアメリカヤマボウシであることから分かるように、アメリカ原産の外来種です。外来種と言うと聞こえが悪いかも知れませんが、ハナミズキはアメリカから送られた友好の証。1912年に当時の東京市長がアメリカへサクラ(ソメイヨシノ)を送り、その返礼として1915年にやってきたのがハナミズキなのです。そういった由来から、花言葉のひとつに「返礼」があります。残念ながら当時送られたハナミズキは戦争時に伐採されるなどでほとんど残っていないそうですが、伐採されずに残っていたハナミズキの子どもが再びアメリカに送られるといった追加エピソードもあり、なんとも温かい気持ちにさせられます。(ちなみに余談ですが、日本から送られたサクラは百年以上経つ今年もしっかり花をつけたそうです。丁寧に世話をしていただいているようで、嬉しくなりますね。)
ハナミズキの花弁(花びら)に見える部分は葉っぱであり、真ん中の緑の部分に本当の花があります(アジサイみたいなものですね)。花弁ではなく葉であるため変色や萎れが遅く、長く花の時期を楽しめるのが人気の理由のひとつ。原産国のアメリカではサクラ前線ならぬハナミズキ前線が報じられることもあるそうで、相当の人気であることがうかがえます。これからよく見られるようになりますので、皆さんも探してみてください。京都では二条通りや三条通り、四条烏丸の交差点などにも植わっていますよ!
……さて。
ハナミズキの別名、アメリカヤマボウシのアメリカについては分かったと。
じゃあヤマボウシってなんだよ? と疑問を抱く方がいらっしゃるでしょうか。
ヤマボウシというのは、これも樹木の名前であります。
花の時期はハナミズキよりやや遅いため、また花が咲いたら改めて紹介させていただきましょう。
ほんと似てるんだこの二種類の樹は……。
サクラは散りゆき気温も暑く、されども季節はいまだ春。外出するのも怖くなる時勢ですが、近くに買い物がてら、色鮮やかな花を探してみるのも一興ではないでしょうか。
ハナミズキ(花水木) 【別名】アメリカヤマボウシ
【学名】 Cornus florid
ミズキ科 ミズキ属 ヤマボウシ亜属 落葉高木
高さ:5~10m
花言葉:「返礼」「永続性」「私の思いを受け止めてください」「華やかな恋」