アセビ

前回の執筆から街を見渡すと、いたるところでハナミズキを見かけます。よく見ると薄いピンクだったり濃いピンクだったり、様々な色合いで美しいですね。

こんにちは、スタッフの正貴です。ヤマボウシはまだ花が咲いていないので、とりあえずは違う植物についてお話ししたいと思います。

 今回は個人的にリクエストをいただきました、アセビについてです。


漢字にすると「馬酔木」と書きます。僕が通っていた高校に漢字でネームプレートが掲げてあり、なんと読むのか疑問に感じた記憶があります。学校や企業などの植木として見かける他、庭木としてもたまに見かけますね。スズランのような可愛らしい花を咲かせ、植物自体の耐久力もあり育てやすいのが人気の理由でしょうか。葉っぱもシュッと尖っててカッコいいですね。

 
そんなアセビですが、実は有毒植物であることをご存知でしょうか。「知ってるよそんなの」という方、では動物用と植物用、二種類の毒を使い分けていることも知っていますか?  

まず、動物に食べられないための毒。「馬が酔う木」と漢字で書くわけですが、アセビを食べると馬が酔ったようにフラフラになるためと言われています。これはアセビに含まれる毒性に由来します。昨今の山林はシカによる食害が問題視されているのですが、毒を避けているのでしょう、シカはアセビを食べません。また昔は葉を煎じることで得られる煮汁を、殺虫剤として活用していたという話もあり、その毒性を推して知ることが出来ます。重症になると呼吸困難や麻痺といった症状が出るため、人はもちろんイヌの散歩などにも注意が必要です(摂食しなければ大丈夫です)。

さらにアセビの落ち葉には、他の植物の生育を阻害する物質が含まれています。これが植物用の毒ですね。この物質を撒き散らすことで、周辺の土壌はアセビしか育つことが出来なくなるわけです。ちなみにこのような作用をアレロパシー(他感作用)と呼び、クルミやアカマツ、セイタカアワダチソウなどもこの作用により雑草の抑制を図っています。

「動物に食べられないための毒」、そして「他の植物を抑えるための毒」。
このふたつの毒性を利用し、アセビは山林で繁茂しているわけですね。強かな戦略だ…。

そんな強かなアセビですが、花言葉は「犠牲」と「献身」、「あなたと二人で旅をしましょう」…。献身どころかめちゃくちゃ我が強い植物なんですけど、どういうことなんですかね?

調べてみると、アセビは英語で「japanese andromeda」と呼ばれるそうです。アンドロメダというのはギリシャ神話に登場する、国を守るため襲い来る怪物の生け贄となった美しい王女のこと。そんなアンドロメダにちなみ、アセビの花言葉は「犠牲」や「献身」となったそうです。その後アンドロメダは英雄ペルセウスによって救い出され、二人で旅をして結婚したのだとか。だから「あなたと二人で旅をしましょう」なんていう限定的な花言葉も加わったんですね。

じゃあなんでアセビがアンドロメダの名前を冠しているんだと言うと、実は海外に「andromeda」という植物がすでにあり(和名:ヒメシャクナゲ)、それに似ていたからアセビは「japanese andromeda」になったんだとか。ややこしい…。


というわけで、今回はアセビについて紹介させていただきましたが、アセビの毒性、特に「植物に対する毒」について知ったとき、僕はこう思いました。「じゃあ庭木でアセビ植えちゃったら、他の植物育たないじゃん」、と。

実際にアセビを育てたことはないのですが、ふとアセビが植わっている場所を見たとき、疑問が解消された気がしました。アセビと一緒に植わっていたのはツツジ…
アセビとは近縁の仲間であるため、毒性もあまり効かないのかなぁと推察しました(真偽のほどは分かりません…)

次回はすでに見頃ですが、ツツジについてお話ししようと思います。ヤマボウシが咲くのはもう少し先かなぁ…。

 

アセビ(馬酔木)
【学名】         Pieris japonica
ツツジ科 アセビ属 亜属  常緑低木
高さ:1~4m
花言葉:「犠牲」「献身」「あなたと二人で旅をしましょう」
3月9日の誕生日の木

 

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