ツツジ

昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

……とくれば、日本人であれば「これは桃太郎だな」とすぐに分かるはずです。
こんにちは、スタッフの正貴です。

なぜ桃太郎の話なんて始めているのか、タイトルはツツジじゃなかったのか! などとおっしゃらず。ちゃんとツツジの話をしています。
「おじいさんは山へ柴刈りに」…。
この「柴」というのが、まさしくツツジのことなのです。たしかに言われてみれば、おじいさんが担いでいる柴って、薪よりは細くて、どちらかと言えば枝みたいな雰囲気ですよね。


京都に鞍馬の火祭りという祭りがあります。集落各所に焚かれたかがり火の中を氏子が練り歩くのですが、このかがり火にもツツジ科の植物が主に使われています。燃えやすくてパチパチと小気味よく爆ぜるのがいいのだとか…。

昔話の疑問を解消したところで、引き続きツツジの話を。ツツジというのは漢字で「躑躅」と書きます。読めるけど書けない植物の名前ランキングなんてのがあれば間違いなく一位だと思うのですが…
それはさておき、この漢字、「てきちょく」とも読みます。「ためらう」「足踏みする」といった意味があり、「あまりの美しさに足を止めるから」あるいは「近づいた動物が恐れて足踏みをするから」この漢字がツツジにあてがわれたのだとか。
近づいた動物が恐れて、というのは、ツツジ科の植物に毒があることに由来します。前回お話ししたアセビもまた有毒植物。
「馬酔木」といい「躑躅」といい、漢字を紐解くとなんとなくその植物の本質が見えてきますね。

ところで、ツツジというと街路樹なんかにもよく使われている樹ですよね。
僕が幼稚園に通っていたころ、園のツツジの蜜をひたすらに吸っていて、先生や親に怒られた記憶があります。
……調べてみると、ツツジ科の植物は蜜にも毒が含まれており、中でも庭木に使われるレンゲツツジは毒が多く含まれ、最近でも中毒症状が報告されているとか…危ないですね!? 症状は嘔吐や下痢などで、過剰に摂取しない限り死ぬことはないようですが…。毒性が強いため、養蜂家さんはレンゲツツジの開花期は避けるなどして、ハチミツにレンゲツツジの蜜が混じらないようにしているそうです。たしかにツツジにはミツバチが多く訪花していますもんね。

 おそらく僕が吸っていたのであろうヒラドツツジには毒性がないそうです。これもよく植えられている園芸品種ですが、「じゃあヒラドツツジは吸ってもいいんだな!」とはなりません。ツツジ科の園芸品種は交雑しているものが多く、どの品種に毒性が含まれているかはほぼ見分け不可能です。そもそも生えている植物を摘み取ることは控えましょうね…マナー違反ですからね。

さて、次回はいよいよ後回しにしていたヤマボウシについて話します、が…園芸用のヤマボウシはハナミズキと交雑されていて、さらに見分けがつきにくくなっているという…そのあたりも含めて少しお話ししようと思っています。

 

ツツジ(躑躅) 
【英名】  Azalea        
ツツジ科 ツツジ属 Rhododcndron L. 
花言葉:「節度」「慎み」
 「恋の喜び」(赤いツツジ)
 「初恋」(白いツツジ)

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