ツバキとサザンカ
スタッフの正貴です。更新が滞っており申し訳ありません。いつの間にやら年が明け、多雪だった冬も終わりを迎えつつあります。ふと目をやるとツバキやウメが咲き始め、春を感じるようになりました。
今回お話しようと思うのは、このツバキ、そして近縁種のサザンカについて。どちらも綺麗な花を咲かせるため、庭木として好まれる木ですね。この二種類はとても似ていて、どちらもツバキ科ツバキ属ということで、親戚のようなものです。近しい関係のため、二種の間で交配され、園芸品種として数多くの種類が出回っています。
さて、そんなツバキとサザンカですが、皆さんは見分け方をご存知でしょうか。
そもそもこの二種類の花は、花が咲く時期(花期)が違います。ツバキは漢字で「椿」と書きますが、春という字が入っているように、冬が終わりつつある早春に花を咲かせます。
一方でサザンカは冬が見頃。「かきねの かきねの まがりかど」から始まる「たきび」という童謡がありますが、この歌の二番にサザンカが登場します。このことからも、サザンカは冬の代表的な花として扱われていることが分かりますね。
しかしながら野山に咲き、かつ庭木にもなるヤブツバキという品種は、花期が11月~4月と非常に長く、サザンカと同時期に咲くこともあります。サザンカにも花期が長い種があるのでしょうか、ちょうど今、散歩しているとどちらの花も目につきます。時期だけで見分けるのは正確性に欠けますね。
花に着目するともうひとつ、花の落ち方を見れば一目瞭然です。ツバキは花全体がポロッと落ちますが、サザンカは花びら一枚一枚に分かれて散っていきます。ツバキの花の落ち方が首から落ちるように見えることから、お見舞いなどでは不適とされているのは有名ではないでしょうか。
さて、花を見ればすぐに分かるのですが、問題は花が咲いていない時期です。葉や樹皮がとても似ているこの二種類、僕も昔は見分けがつかずに混乱していた記憶があります…。
ポイントは葉っぱ。サザンカに比べると、ツバキの葉は一回り大きいのが分かります。「厚葉木」がツバキの語源とされていますが、その名に恥じぬ重厚な葉をしていますね。
葉っぱの裏を見てみると、サザンカには葉脈に毛が生えているのが分かります。対してツバキは毛が無く、ツルッとしています。ここも見分けるポイントになりますので、大きさだけでは分かりにくい!という方は、ぜひ葉の裏も見てみてください。
普段見ている景色や物も、名前が分かると違って見えるかと思います。ツバキもサザンカも、どちらも美しい花ですが、ぜひ「どっちかな?」と、近くに寄って見てもらえると嬉しいです。
また、ツバキは京都市の花に指定されています。暖かくなり、外出もしやすいこの時期、春探しと洒落込んでツバキを見に行くのはいかがでしょうか。
ツバキやサザンカなど、ツバキ科の植物については、以前にも当ブログで取り上げておりますので、よろしければそちらもどうぞ。
ツバキ
ヤブツバキ(藪椿)
【学名】Camellia japonica
ツバキ科 ツバキ属 常緑小高木
高さ:3~8m
花言葉: 赤…「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」
白…「完璧な美しさ」「申し分の無い魅力」「至上の愛らしさ」
ピンク…「控えめな美」「控えめな愛」「慎み深い」
サザンカ(山茶花)
【学名】Camellia sasanqua
ツバキ科 ツバキ属 常緑小高木
高さ:5~6m
花言葉:「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」
赤…「謙譲」「あなたがもっとも美しい」
白…「愛嬌」「あなたは私の愛を退ける」
ピンク…「永遠の愛」