小さなお客様
昨夜のことです。
帰宅してポストを開けて夕刊を取り出したら、新聞と一緒に小さな黒い豆粒のようなものが落ちました。
手に取ってみると・・・
おわかりですか?
なんと蛍でした😆
自宅のすぐ裏を小さい川が流れていて、毎年1回は蛍が飛んでいるのを見かけることがあるのですが、まさかポストから出てくるとは思わなかったのでビックリしました。
1匹だけでしたが、ちゃんと綺麗に光っています。
(余談ですが、本来、蛍は「匹」ではなく「頭」で数えるそうです。蛍に限らず、昆虫類全体にいえることだそうで、一般的には「匹」で構わないのですが、学術的には「頭」で数えるのが正しいのだとか。)
日本には40種ほどの蛍がいるそうですが(世界では2000種)、そのうち光るものは10種ほどだそうです。
蛍と言えば光るものと思っていましたが、光らない種類も多いんですね。
蛍が光る仕組みですが・・・
蛍の腹部には発光器があり、その中にあるシルフェリンと呼ばれる発光物質が、ルシフェラーゼという酵素の働きで酸化することで光が発生するそうです。
普通、発光は熱放射を伴いますが、蛍の発光はほとんど熱を伴わないため、「冷光」と呼ばれています。
蛍の発光は求愛行動と言われており、その光り方、交信のパターンは複雑で、種ごと、地域ごとの発光パターンを持っているそうです。東日本の蛍は4秒間隔、西日本の蛍は2秒間隔で点滅するそうです。やっぱり西日本っていうか関西?の蛍はせっかちなんでしょうかね😂
柔らかな光が幻想的だからでしょうか、平安の昔から蛍は和歌に歌われることも多く、物語の恋愛の場面にもしばしば登場しています。また、蛍を身体から遊離した魂に見立てたりすることも多いようです。
蛍が卵から成虫になるまで約1年。成虫になってからは1~2週間の寿命だそうです。
成虫になってからはエサを食べず、水分のみを補給して、交尾するとオスもメスも死ぬそうです。
短くもはかない命を燃やしきる姿に日本人は魂を揺さぶられて魅了されるのでしょうか。
小さなお客様を見ながら、そんなことを思いました。
音もせで思ひにもゆる蛍こそ 鳴く虫よりもあはれなりけれ (源重之)