災害と祭祀
九州地方に甚大な被害をもたらした豪雨。
発生から1週間近くたちますが、いまだ行方不明者の捜索や、インフラの復旧活動が続いています。梅雨前線の影響で、まだまだ局地的に激しい雨がふる可能性もあるそうです。
災害に見舞われた方には心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
少しでも早く日常を取り戻されますように。
同時に、捜索や復旧作業に携われている方々、本当にありがとうございます。
くれぐれもご無事で。
平成になって、本当に災害が増えたように感じます。
気になって、少し調べてみました。
「日本の災害年表・防災情報ナビ」によりますと、昭和の時代64年間のうち、M6.0以上の大きな地震は68回でした。平均すると一年に一回程度です。
平成はと言いますと・・・
1989年(平成元年)~2007年(平成19年)までの約19年間は22回。
ここまでは昭和と同じように、平均すると、一年に一回程度です。
ところが、2008年(平成20年)~2016年(平成28年)のわずか8年間の間に、M6.0以上の大きな地震が111回も起きています。
内閣府の災害HPを見ても、(こちらは平成12年からのデータですが)毎年のように地震、水害、雪害が続いています。
そして毎年、「過去に例を見ない」とか「観測史上最大の」など、良い意味ではない「記録更新」がなされているようです。
温暖化の影響など、その原因を科学的に求めることはできると思います。
防災技術も年々発展しています。
が、自然界の大きな力の前では、人間は本当に無力だと感じます。
今回、上記のデータをネットで調べていたのですが・・・、
災害の多い「平成」という時代について
「天皇陛下は祭祀をなっておられるのか?」
という声が、少なからずあがっていたことに驚きました。
昔、天変地異は天子(つまり天皇のこと)の政事と祭祀がダメで民を不幸にしていることに対する神々の怒り、つまり天子の徳が足りないことが原因であると言われていました。
「災いはわが身を通せ。わが身を貫け」と疫病や干ばつ、地震、津波、噴火、台風、大雨などの自然災害などから日の本とそこに住む民を守り、五穀豊穣を祈り全身全霊をかけて祭祀に臨んでくださる存在が「天皇」です。
神の子孫として皇統を継ぐ天皇が祈れば、その超越した霊力によって神々の怒りを鎮めることができると固く信じられていたのですね。
逆説的ではありますが、災害続きの世の中を「祭祀がちゃんと成されてないのではないか」と感じる、それは結局は「天皇陛下は常に国のため、国民のために祈ってくださっている存在である」ということを、今でも信じている、そういう精神性が日本人の中には流れているのだと改めて感じました。
因みに、2008年以降、宮内庁の方針で、祭祀がどんどん簡略化されているそうです。